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『開演』 さら
開演のベルが鳴る
忘れかけていた緊張の一瞬
幕が上がり、ライトが眩しく、心に痛い
じっとこちらを見つめる無数の目・目・目……
「♪」楽譜を食い入るように〜
「さ!」リーダーの無言の合図で指に一点集中させなくては
中断していた期間は5年以上になるのだろうか
筝の音色に魅せられて、幼い頃からの憧れだったお稽古だったのに
一旦離れざるを得なくなり、
筝は埃をかぶったまま部屋の片隅に置いてけぼり
気には懸けていたけれど、きっかけもなく音から遠ざかってしまった
手に汗、熱の入る演奏〜。拍手の渦……
そう、この瞬間だ!
舞台に立つ喜びが甦ってきた
きっと満足してもらえたはず。
そして、私の姿は聴衆の目にどう映ったのだろうかと気になるところ
そんな気持ちになれることが好きだったんだな
もう一度
もう一度 はじめてみよう
心の底に湧き上がる感動を、もう一度
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