『時空間』  さら

「ひろこぉ〜!」
誰か私の名を呼んでいる。誰なの?
目を開けようとしても、体はズシンと沈みながら落ちていく。
「拾い上げてぇ〜!」
声にならない声が頭の中を響いているだけ。
こうなったら、なるがままに身を任してしまおうか。いつかは止まるだろう。

……ストンと落ちたのは……
柔らかなクッション。敷き詰められた羽の中
恐る恐る目を開けてみる。ひっそり静まる部屋に一人きり
小窓から見る風景は、そこは、木々も揺れ緑豊かな森の中だった
不思議と心がやすらぐのを肌が感じている
なんだか、わがまま言ってもよさそうよ

まずは水浴びをさせてちょうだい
柔らかな肌触りのバスローブを用意してね
ワインは白で、こんな時は甘口がいいわ
もちろん、お料理はシェフのお勧めをね
そして、ふわふわのベッドで寝かせてね
子守唄はやさしげに、寝物語は涼やかに

……
どのくらい眠ったのだろう
目覚めた時はいつもみすぼらしい私の部屋
ただの夢だったというの?
潜在的に私の心に住みついている願望なのだろうか

また時空間を漂ってみたい
心のリラクゼーションのために……

ふわ〜〜〜〜今度は浮上している私が見える

 

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